【 ファン限定 】代償は溺愛.煽情的啼鳥に悪戯

VS ‐代償‐

Side:石代 真歩(いししろ まほ)
在原 涼(ありはら りょう)


テストの順位で勝負する私達。
それで常に負け続けているけれど、前ほどの悔しさがない。

「ねぇ、真歩。どこまで触れていいかな?」

彼が勝つ事を願うのは、私に触れたいから。
真剣勝負。

だんだん触れたいという場所が増え。
彼は5分を守る。それは。

彼の誠実さ。
だからか、私は勝ちたい。
負けたからではなく、触れて欲しいと私も願うから。

「どこまで触れたいの?」

涼は質問に対して、私から質問で返され口を閉ざしたまま。
本当は自分の中にある答え。それを私が許してくれるか、戸惑いと不安。
それが現れた表情。

愛しい。
負けても悔しくはない。
私の好きな人が賢くて、優しくて、私を好きだと分かる愛情をくれるから。

「嫌ったりしないよ。言ってくれなきゃ、分からない。」

「……自分の抑えられる限界まで。」

なんて曖昧な答え。

抑えられる範囲内。
だから勝負の報酬は学校で、ひっそりとした場所。5分だけ。

自分を律する携帯のアラーム。
抱擁。髪に触れ。軽いキス。
服の上からそっと触れるような接触。


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