響け、希望と愛の鐘
「ちょっと姉ちゃん!
 飲みすぎ!

 もう!

 眠いんでしょ、早く寝れば?」
 
アメリカの活動家から、メッセージが届いていた。

『一緒にアメリカでデモやりたい!』

 これを見たら、眠気なんて吹っ飛んでしまう。

 優美はハギくんにメールを見せ、笑う。

「ハギくん。

 アメリカ、ほんとに一緒に行っちゃう?
 私はその方がいい」

「俺、めっちゃワクワクっす!

 弁護士として、NPOの法務、完璧にこなしてみせる!」

優華がソファに寝転び、笑う。

 「いいなぁ、姉ちゃん。

 めっちゃロマンチック!

 私も恋愛したいなぁ」

「優華も来る?
 ニューヨーク大学は秋入学だし、時間はあるでしょ?」

優華は、両親の才をどこまでも受け継いだのか優秀で、
ニューヨーク大学への入学切符を手にしていたのであった。

優美のデモ活動を手伝ってVlog等を作っていた日々の中で、映像編集を学びたくなったのだという。

 推薦をもらって、ニューヨーク大学のティッシュ芸術大学院の門を叩くこととなったのだ。

大きな宝月邸の窓から、東京の夜景が輝く。

 自由空間の会の脅威は消え、優美の心には、仲間との絆と新たな挑戦への決意が満ちていた。

 アメリカでの第一歩が、すぐそこに迫っていた。

 
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