響け、希望と愛の鐘

結婚式

プロポーズから1年が経った。

 ニューヨークのブルックリン橋を見下ろすガラス張りの会場で、優美とハギくんの結婚式が開かれた。

 会場はピンクのバラで埋め尽くされ、#WomenReclaimSafetyのテーマカラーが柔らかく輝く。
 薔薇の花の裏には、残念ながら出席出来なかった人たちからの寄せ書きが書かれている。

 優美は、真っ白なオフショルダードレスに身を包み、裾には繊細なチュールが揺れる。

 誕生石のピアスとハギくんからの指輪が月光のように光る。
 
ハギくんはホワイトのスーツにピンクストライプのタイ、緊張と幸せが入り混じった笑顔だ。

祭壇には、優華、ジェシカ、奈穂(日本から駆けつけた)、安達、麗眞さん。

麗眞さんの奥さんの椎菜さん。
 
相沢さん。
 
相沢の奥さんの美崎さん。

 深明さんに道明さんまでいた。

 最上段には優美と優華の両親、華恵と優作がいた。
 
華恵の両目からは涙が溢れている。

 「泣きすぎだ、ハナ」

「あんなに素敵なんですもの、私の娘。
 
大事に育ててきた娘の綺麗な姿を見て、嬉し涙を流さない母親なんていないわよ」

「それもそうだな。
 すごく綺麗だ。

 ハナとの結婚式のときの、花嫁姿によく似てる。
 
さすが、ハナの血を引くハナの娘だ」

 司会を務める優華が、イチャイチャモードに入った両親を止めた。

 「コラそこ!
 イチャイチャしない!

 本日の主役は自分の娘と義理の息子ですよー!
 姉ちゃん! ハギくん!
 この結婚式、#YumiYukiWeddingでバズらせるよ!」

会場に笑い声が響き、優美が顔を赤らめる。

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