響け、希望と愛の鐘
突然、事務所のドアが開いた。

「優美先輩、めっちゃ忙しそうっすね!

全国デモ、200人以上集まるってマジすか!」

ノックもせず事務所に飛び込んで来たのは、矢萩 裕貴だった。

手にコンビニの紙袋を持ち、おにぎりとサンドイッチの匂いが漂う。

優美は眉をひそめ、ため息をついた。

「ねぇ、ノックくらいしてよ。

不審者かと思うじゃん。

で、何?

勝手に首突っ込む気?

このデモ、貴方には一切関係ないんだけど」

「いや、差し入れですよ。

優美先輩、最近食べてなさそうだから。

 そんなんじゃ、ただでさえ華奢な身体が余計に、
 華奢になっちゃいますよ。

俺、弁護士として許可申請とかガッツリ手伝いたいんです!

優美先輩の役に立ちたくて、弁護士資格まで取ったんですから」
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