響け、希望と愛の鐘

甘い生活

ニューヨーク、マンハッタンのアパートメント。
 朝陽がカーテンの隙間から差し込み、木製の床に金色の光を投げる。

優美はキッチンでハーブティーを淹れていた。

白地に青い花柄のキャミソールワンピース、薬指には、誕生石のシルバーの指輪が輝く。

 リビングでは、夫となったハギくんが、ソファでNPO「Women Reclaim Safety」の法務書類をチェックしていた。

 白いシャツにネイビーのスラックス。

 優美を見つめる目が愛に満ちている。

「ハギくん、ハーブティー、置いておくね」

 優美がカウンター越しに微笑み、髪を耳にかける。

ハギくんと呼ばれた彼が立ち上がり、優美の華奢な腰にそっと手を回す。

  「優美、朝からその笑顔、反則。
 抱きたくなるじゃん。

 ハーブティーより、優美のそばにいる方が、目が覚めるよ」

優美の頬がみるみるうちに真っ赤に染まり、ティーカップを手にハギくんの胸に寄り添う。

 「こんな甘いこと、毎日言うんだから。
 全くもう。

 心臓、もたないんだけど」

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