響け、希望と愛の鐘
妊娠5ヶ月が経っていた。

 優美とハギくんはアパートの一角を赤ちゃん部屋に変えた。

 週末、ブルックリンの雑貨店でピンクのベビー服や星形のモビールを購入。

 帰宅後、部屋にキャンドルを灯し、二人でベビーベッドを組み立てる。

「力仕事はやるなよ。
 
必要な道具、渡してくれるだけでいい。
 
無理しないで、体調悪かったら横になってていいんだからね」

 そう言って、ほとんどハギくんが組み立ててくれたのだった。

ハギくんが優美の腹部をそっと撫で、囁く。

 「優美。
 この子、きっと優美に似て美人な子になりそう」

優美がハギくんの頬にキスをし、目を潤ませる。

 「ハギくんに似るなら、優しい子になりそうだね」

< 95 / 104 >

この作品をシェア

pagetop