響け!猛毒のグラーヴェ
「君は誰なんだ?どうして偽名を使う必要があるんだ?答えてほしい」

レオンハルトはリズを見つめる。リズはゆっくりと首を横に振った。嘘は認めるものの、その理由は話さないつもりらしい。

「……申し訳ありません。それは言えません」

レオンハルトはゆっくりと息を吐いた。その心にあるのは失望などではなかった。レオンハルトの瞳は星のように煌めく。

「言わなくても構わないよ。私が君の全てを暴いてみせる。探偵は気になった謎はとことん追求したい生き物だからね」

レオンハルトの言葉にリズがフフッと笑い声を上げる。先ほどまであった動揺は彼女から消えていた。リズはレオンハルトに笑いかける。その笑みはどこか艶っぽく、彼女の年齢よりも大人びて見えた。

レオンハルトの胸が高鳴る中、リズは口を開く。

「私の謎を暴いてください。期待しています」

「……その期待、必ず応えてみせるよ」

星が綺麗に輝く下、レオンハルトは大きな謎への挑戦状を受け取った。






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