響け！猛毒のグラーヴェ

怪物のような世界の隅っこで

それから数日。レオンハルトたちは変わらない日常を過ごしていた。ギルベルト・ワーグナー刑事に捜査協力を依頼されたり、他の依頼人からの相談を受けたり、日々は過ぎて行く。そんなある日のことだった。

「レオンハルトさん！お手紙です！」

カナタが手紙を持って来る。レオンハルトは「ありがとう」と言い、手紙を開ける。いい材質の紙だと触れてすぐにわかった。

「差出人は……エミリー・ストーン？」

名前はメレ国でよく見られるものだ。レオンハルトは紙を太陽の光に透かしてみる。紙にロゴが浮かび上がった。製紙会社のロゴだ。しかし、そのロゴはメレ国の製紙会社のものではない。

「トーニョ。ちょっといいかな？」

レオンハルトはアントーニョを呼ぶ。アントーニョは「何だよ」と頭をガシガシかきながら来た。レオンハルトは手紙を差し出す。

「この手紙、太陽の光に透かしてみてくれないか？」

「何だよ急に……。ん？なんか浮かび上がってるな」