響け!猛毒のグラーヴェ
「病気のことは一旦置いておきましょう。それより気になるのはエミリー嬢が飲むジュースのことです。ルシアさん、教えていただけませんか?」
「……はい」
顔を上げたルシアの目は赤くなっていた。それから、彼女はゆっくりと話し始める。
「エミリー様は朝目が覚めるとアトリエに行きます。そして絵を描くんです。その際、ジュースをお飲みになられます」
「ジュースの味は毎回同じですか?」
「いえ。エミリー様は同じ味を連続で出さないように言っていましたので、毎日違う味です。今日は桃です」
「桃……」
レオンハルトは顎に手を当てる。毒物が発見されなければ、エミリーの死は病死ということになる。その際は持病だけでなく桃が原因になる可能性も捨てきれない。
(しかし、アレルギーによるショック死には見えなかったな)
アレルギー物質になるアナフィラキシーショックを起こした場合、もっと全身が腫れ上がっているはずだ。しかし、エミリーの遺体にはほとんど損傷はない。
「……はい」
顔を上げたルシアの目は赤くなっていた。それから、彼女はゆっくりと話し始める。
「エミリー様は朝目が覚めるとアトリエに行きます。そして絵を描くんです。その際、ジュースをお飲みになられます」
「ジュースの味は毎回同じですか?」
「いえ。エミリー様は同じ味を連続で出さないように言っていましたので、毎日違う味です。今日は桃です」
「桃……」
レオンハルトは顎に手を当てる。毒物が発見されなければ、エミリーの死は病死ということになる。その際は持病だけでなく桃が原因になる可能性も捨てきれない。
(しかし、アレルギーによるショック死には見えなかったな)
アレルギー物質になるアナフィラキシーショックを起こした場合、もっと全身が腫れ上がっているはずだ。しかし、エミリーの遺体にはほとんど損傷はない。