響け!猛毒のグラーヴェ
アントーニョの言葉にセバスチャンたち使用人が大きく動揺する。正解だったようだ。アントーニョは「やっぱりな」と言った後、続ける。
「ここに書いてあるぜ。てんかんの治療薬を飲んでいる場合はグレープフルーツを口にしちゃダメだってな」
「グレープフルーツに含まれるフラノクマリンという成分が、薬の代謝に関わる酵素の働きを阻害し、薬の血中濃度を上昇させ、副作用を強く引き起こしてしまうそうです。副作用が強い場合、死に至ることもあると」
レオンハルトの説明にルシアは首を横に振った。
「違う……私じゃない……そんなの知らない……知らないんです……」
今にも泣き出しそうになりながら、彼女は必死で否定する。レオンハルトは一歩前に踏み出した。
「あなたは常日頃から「欠陥品」とエミリー嬢に馬鹿にされ続けてきた。その怒りが溜まっていたところ、グレープフルーツとてんかん薬の相性が悪いことを知った。少し困らせる程度で済むだろうとあなたは考え、桃のジュースと偽ってグレープフルーツジュースを飲ませた。ところが副作用が強すぎてエミリー嬢は命を落としてしまった。違いますか?」
「ここに書いてあるぜ。てんかんの治療薬を飲んでいる場合はグレープフルーツを口にしちゃダメだってな」
「グレープフルーツに含まれるフラノクマリンという成分が、薬の代謝に関わる酵素の働きを阻害し、薬の血中濃度を上昇させ、副作用を強く引き起こしてしまうそうです。副作用が強い場合、死に至ることもあると」
レオンハルトの説明にルシアは首を横に振った。
「違う……私じゃない……そんなの知らない……知らないんです……」
今にも泣き出しそうになりながら、彼女は必死で否定する。レオンハルトは一歩前に踏み出した。
「あなたは常日頃から「欠陥品」とエミリー嬢に馬鹿にされ続けてきた。その怒りが溜まっていたところ、グレープフルーツとてんかん薬の相性が悪いことを知った。少し困らせる程度で済むだろうとあなたは考え、桃のジュースと偽ってグレープフルーツジュースを飲ませた。ところが副作用が強すぎてエミリー嬢は命を落としてしまった。違いますか?」