スパイラル・コード〜内緒でハッカーやってたら、最強アイドルにバレちゃいました〜
急に話を振られて戸惑いながら蒼真くんを見つめる。
「セキュリティを突破するにはスピカのハッキングが必要だ」
「あっ!」
そっか、タダで入れるわけないもんね。
大手芸能事務所なんてセキュリティが厳しいに決まってるし、なかなか責任重大かも。
「がんばります!」
「頼んだぞ。それから、美織の居場所も突き止めて欲しい」
「任せて!」
GPSを探るくらいならハッキングと同時でもできる。
「俺と隼人はしえるのサポートだ。廉は居場所がわかり次第、美織の救出を頼む」
「わかった」
「おう!」
「よし、必ず成功させるぞ!」
『オォー!!』
みんなで気合いを入れる。
待ってて、美織。必ず助けるからね――!
「……ねぇ、エトワールのマネージャーわかったよ」
一人だけひたすらPCと向き合っていた理央くんがつぶやく。
「本当か、理央!」
「う、うん。だけど……」
理央くんにしては珍しく浮かない表情だった。
というより、やや困惑しているようにも見える。
みんなでPCの画面をのぞき込んだ。
「えっ、この人――」
その人物のことは知っていた。
あまりにも意外すぎる人物で私たちは思わずお互いの顔を見合わせていた。