スパイラル・コード〜内緒でハッカーやってたら、最強アイドルにバレちゃいました〜


 私はPCの前に座り、スピカのUSBを差し込む。
 メガネをかけて髪を結いて、いざミッションスタート!

 カタカタカタカタ。
 高速でキーボードを叩いていく。


「このコードをこうして、よし。あ、次は――」


 このウィルス、すごく複雑だな。
 たとえるなら、モグラ叩きみたい。

 一つ解除してもまた次からウィルスが出てきて、キリがない。


「大元から根絶やしにしないと、増殖する仕組みになってるんだ」


 すごいな、このウィルス。
 テストウィルスとは思えないくらい手強い。

 これが本物だったらヤバかったかも。
 すごい、これが発明家・カペラの能力ってこと?


「ん? どうしたの? ギブアップ?」


 理央くんはソファの上でゴロゴロしながらゲームをしている。


「ギブアップなんかしないよ。やりがいがあるなって思っただけ」

「へー、頼もしいねぇ」

「見てて、絶対にウィルスを撃退してみせるから」


 カタカタカタカタ。
 ハッキングは一筋縄じゃいかない。

 複雑な迷路をかいぐぐるようなものだし、最後は運に作用されることもある。
 積み上げたものが一瞬でなくなることだってある。

 でも、このヒリヒリ感が楽しいんだ!


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