スパイラル・コード〜内緒でハッカーやってたら、最強アイドルにバレちゃいました〜
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学校から帰宅した私を待っていたのは。
「しえる〜!」
「美織!? 今日は雑誌の撮影じゃないの?」
「そうなんだけど、どうしよう……! 今日は廉くんとの撮影だから緊張しちゃって」
大きな瞳をうるうるさせる美織は、間違いなく天使だ。
かわいい、尊い、もはや女神。
こんなにかわいい子がこの世に存在するの?
「大丈夫だよ。美織はこんなにかわいいんだもん」
「でも、」
「絶対大丈夫!」
「しえる〜〜」
そう言って私に抱きつく美織。
ああもう、かわいすぎるんだから!
実は私と美織は幼なじみで大親友。
美織がアイドルデビューする前から一緒にいるの。
ステージの上ではキラキラしたパーフェクトなアイドルだけど、素顔の美織はとっても人見知りの恥ずかしがり屋。
歌う直前まで緊張していて、ずっと歌詞カードと睨めっこしてるくらい。
でもね、それだけアイドルという仕事に一生懸命なんだ。
百パーセントのパフォーマンスをファンに届けるため、努力を怠らないの。