スパイラル・コード〜内緒でハッカーやってたら、最強アイドルにバレちゃいました〜
B組のリーダーはすぐにわかった。
一番真ん中で腕を組み、ニヤニヤとこちらを見ている。
まるで「何かありました?」とでも言いたげな様子で。
審判まで味方につけて、徹底的に美織に嫌がらせするつもりなんだ。
「美織、本当に大丈夫?」
「大丈夫」
「わかった、絶対勝とう!」
「うん!」
試合再開して私はなるべく美織の側から離れないようにした。
私がガードしてるからか、美織に近づけない。
よし、この調子で美織を守ろう。
もちろん守るだけじゃなく、サッカーの試合にも集中しないと。
「美織ちゃん!」
「は、はいっ!」
美織にボールがパスされた!
すぐに周りを取り囲もうと美織に近づくので、私はさりげなく前に出て近づけさせないようにガードする。
他のチームメイトのアシストもあり、美織は懸命にボールを蹴ってゴールに近づいた。
このままシュートを打てれば!
そう思った直後、B組のリーダーが美織に向かって走ってくるのが見えた。
きっと邪魔しようとしてるんだ。
美織はボールを蹴るのに夢中で真横から迫ってくる刺客に気づいていない。
「美織、危ない!!」