好きとキスの嵐
闘士に燃えていた割に、今日の部活内容は、あんまり芳しくなくて、盛大にへこんだ。

メンバー達にも、色々慰められたのだけれど、我ながら自分の不甲斐なさに、心の底からガッカリだ。


「大智、あまり気にするな。明日の課題に回して、切り替えろ」

主将はそう言って、俺の背中を叩いてから、ロッカールームの方へ行ってしまった。

俺は居残り練習をしようかと思ったけれど、確かに主将が言う通り、今日の事は明日の課題にして、帰ることにした。

そこで、大好きな柔らかい声が体育館の中に響いた。


「大智くーん!今日はもう帰れる、かな?」

嬉しそうな顔をしてから俺の名前を呼んでから、まだユニフォームを着たままの俺を見るなり…語尾が小さくなった。

俺は、慌てて彼女の元へ走り寄る。

「ごめん!待たせちゃって!今着替えてくる」

「あ、大丈夫だよ?ゆっくりで。待ってるのも楽しみの一つだから」


にこにこと笑う彼女に、胸がぎゅんっとなる。
これは、マッハで着替えて一刻も早く彼女と帰らなければ…!

「ありがとな。すぐに来るから。ここで待ってて!」

「うん!」


そう言い残すと、ダッシュでロッカールームへと飛び込んだ。


「悪い!遅くなって」

「ううん。大丈夫だよ?」

速攻で帰宅の支度をして、彼女の待つ場所まで行くと、ふんわりと笑ってそんな可愛いことを言ってくる。


あああああ。

ギリギリの理性が、日に日に擦り減っていって、最近では彼女の了解も聞かずにキスをしてしまう。


ちゅ


まずは、頭のてっぺんに。

耳に掛けた髪を梳きながら、そこから現れた小さくて愛しい耳にキスを。

そのくすぐったさに反抗しようと、少しだけ身動ぐ彼女の体をすっぽりと抱き締めて…柔らかな唇の端にキスをする。


「なぁ、由希…?」

「な、ぁに、?」


キスを全て受け入らてくれた彼女は恥ずかしさを全面に出して、俺の呼び掛けに答える。


「…俺のこと、好き?」

「うん、大好きだよ?」

「どれくらい?」

「…うん、と…。私の中のキャパシティが爆発しそうなくらい?」

「ぷはっ、それ、めちゃくちゃ好きってことじゃん」

「…だめ?」

「んなわけないよ。すっげー嬉しい」

「じゃあ、大智くんは?」

「えぇー?俺?、んー…俺はぁ…由希のこと、愛してるよ」


それを言ってから、彼女の反応を待つよりも早くぎゅうっと抱き締めて、深いキスを落とした。


やっぱり、この恋は…好きとキスが、交互にやって来て、嵐の様に二人の心を様々な角度から乱していって、そこからまた、次のステージへと大きくなっていくんだ。

「由希」

「ん?」

「ずっーと、一緒にいような」

「っ、うん!」


そんな、きゅんきゅんする会話の後で。


「あ、でも、これだけはマネとして言わせて?」

「はぃ?」

「スコア記録とか色々コピーして持ってきたから、明日の課題の役に立てたらって。はい、どうぞ」


パサリと手渡された書類に顔を引き攣らせると、彼女はにっこりと笑って、


「私は私情を挟みつつ、立派なマネになるって、最初から決めてるからね」


だって、そう言われた。


この恋、ある意味…波乱万丈なSTORMで激しいLOVEになっていく予感。


好きだけでもキスだけでも、嵐は終わらないんだろう…。


fin.
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