姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

「お前……いつもの気持ち悪いアレ、どうした?」

「誰がなんだって?」

聞き捨てならない台詞にさっきのイライラも吹き飛び、勢いよくそれを言った奴の方を向く。


見てびっくり。

さっきからずっと同じ体勢だったから顔の距離が文字通りの目と鼻の先だ。


切れ長の鋭い目力のある瞳は意外に澄んでいて、白目なんかは青白く見える。

生命体らしいのはそこくらいで、まっすぐ通った鼻筋も、ぴくりとも動かない眉や薄い唇も、陶器みたいな肌も近くで見れば見るほど作り物のように思えてくる。


掴んだ腕はあったかいし、脈打つ感じも伝わってくるから、おそらく人間なんだろうけど。
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