姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
「――お前らが突き落とした?」
ビリリと空気を張り詰めさせる低音ボイス。
近江涼介の声だ。
その鋭さでなんか怒っているのもわかる。
現に呆然と落ちていく私を見下ろしていた女共が怯え切った顔になっている。
「ちっ……違います!
その子が勝手に足を滑らせて……!」
女共が必死に手を振り否定するのを見て事実確認するかのようにチラ、と私を見る近江涼介。
怒っている奴の迫力に圧された私は「そうです」とばかりに小刻みに何度も頷いた。
「大方、掴みかかられそうになったのを避けるか反撃しようとして落ちたんでしょ〜?
相変わらず無茶するねぇ。」
榛名聖は硬直が解けてきた私の両手を取って引き上げて立たせる。
次いでそのまま手を軽く握り腕やら体やらをさらりと視診すると、「怪我はなさそうだね」と笑った。
「まーくんは立てる〜?」
「大丈夫…って痛ッデェ!」
左手で体重を支えて立ちあがりかけた広瀬真が、痛みで手を引っ込めて尻餅をつく。
「あぁ、これはやっちゃったねぇ。」
榛名聖がすかさずその手首を見て、呑気に言った。
その間中、どうすることもできずに踊り場で狼狽えている女共を近江涼介はじっと見つめている。
「コイツはやられたらその分だけ無茶するヤツだから。
……次くだらねー嫌がらせしたらダダじゃおかねぇぞ。」
近江涼介の鋭く刺すようなひと睨みに、女共は怯えてただ黙って頷きその場を走り去っていく。
――そして、朝のHRのチャイムが鳴る中、私たちは保健室へと直行した。
ビリリと空気を張り詰めさせる低音ボイス。
近江涼介の声だ。
その鋭さでなんか怒っているのもわかる。
現に呆然と落ちていく私を見下ろしていた女共が怯え切った顔になっている。
「ちっ……違います!
その子が勝手に足を滑らせて……!」
女共が必死に手を振り否定するのを見て事実確認するかのようにチラ、と私を見る近江涼介。
怒っている奴の迫力に圧された私は「そうです」とばかりに小刻みに何度も頷いた。
「大方、掴みかかられそうになったのを避けるか反撃しようとして落ちたんでしょ〜?
相変わらず無茶するねぇ。」
榛名聖は硬直が解けてきた私の両手を取って引き上げて立たせる。
次いでそのまま手を軽く握り腕やら体やらをさらりと視診すると、「怪我はなさそうだね」と笑った。
「まーくんは立てる〜?」
「大丈夫…って痛ッデェ!」
左手で体重を支えて立ちあがりかけた広瀬真が、痛みで手を引っ込めて尻餅をつく。
「あぁ、これはやっちゃったねぇ。」
榛名聖がすかさずその手首を見て、呑気に言った。
その間中、どうすることもできずに踊り場で狼狽えている女共を近江涼介はじっと見つめている。
「コイツはやられたらその分だけ無茶するヤツだから。
……次くだらねー嫌がらせしたらダダじゃおかねぇぞ。」
近江涼介の鋭く刺すようなひと睨みに、女共は怯えてただ黙って頷きその場を走り去っていく。
――そして、朝のHRのチャイムが鳴る中、私たちは保健室へと直行した。