姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
「姫を女として見られないとかありえないだろーが!しかも狂暴ゴリラって!
狂暴ウサギとかもっとかわいいのあっただろ!」

「狂暴は否定しないんですね~。さすがお兄さん。」


「今から来い!千本ノックだ!」とギャースカ騒ぐ傑兄ちゃんの隣で、渉兄ちゃんはじっと画面を見つめている。

とりわけ近江涼介を見ているように見えるけど、にらめっこでも始めたんだろうか。


「……まあいいか。止めてもどうせ飛び出してくだろうし。」

「!!」

柔らかくなった渉兄ちゃんの言葉とため息に、私の顔はぱっと華やぐ。

「どええ!?兄貴、いいの!?」


「まぁ姫の友達を信じるってことで。………でも一時間おきに連絡すること。
あとこれ催涙スプレー。持っていきなさい。」

予想外の許可に驚く傑兄ちゃんを「まぁまぁ」と宥めて、渉兄ちゃんは私の手に物騒なものを渡してきた。

でもそんなの私には関係ない。

「うん!………うん!ありがとう渉兄ちゃん!」

かわいい妹に満面の笑みで感謝されてほくほく顔の渉兄ちゃんと、「俺は心配だよぉ~!」と叫ぶ傑兄ちゃんと3人で抱き合う。


「……もう切っていいですか。」

さっきから大揺れしまくりの画面に酔いそうになりながら、H2O達は引き気味に呟いた。

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