姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

Ep.52 付属品と呼ばないで


「――それにしても、近江涼介は今日ここに来られたってことは、新年も自由自在なほどのレベルのお家柄ってこと?」


規格外お坊ちゃんズが家の都合で元旦は拘束されているのに、こんなところで呑気に初詣できちゃう近江涼介だ。

きっとビルゲイツもびっくりの大富豪とか、皇族並の高貴なお家柄なのかもしれない。

もうどんな非現実があっても受け止められそうだ。


「……俺ん家はフツー。」

「フツーって何。富豪のフツーは庶民にとっての非現実なんだから……」

「「!?」」

尋問しようと近江涼介の間近に迫って腕を掴んだ時、突然ものすごい地響きがして遠くから砂煙が近づいてきた。


「ちょぉおっと待てーーーーい!!」


次いでタックルされて、抱き止められる。

この展開は、そう。傑兄ちゃんの登場だ。

「姫!どういうことだ!なんで2人きりなんだ!!
兄ちゃん聞いてないぞ!!」

片手は私を抱きしめながら、もう片手で近江涼介を鋭く指差す。

「だーって広瀬真も榛名聖も連絡つかなかったんだもん。近江涼介しか電話に出てくれなかったんだもーん。」

「だそうです。」

わざとらしく口を尖らせる私と、ス、と私の方に手のひらを出して頷く近江涼介。

「そんなことが許されるかァ!もう徹底的に邪魔しまくってやる!俺の目が黒いうちはデートなんて許さねー!」

人目も気にせず喚き散らす傑兄ちゃんの声を頼りに、後から追いかけてきたらしい大学生集団が走ってきた。
< 163 / 874 >

この作品をシェア

pagetop