姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
#祝⭐︎女友達!?
Ep.60 オンナトモダチ?
欲しかったものがある。ずっと、ずっと…
「お兄ちゃん…姫、女の子のお友達がほしいよぅ…。」
渉兄ちゃんに抱きしめられて、小さい頃の私が泣いている。
自分自身も忘れている、弱かった頃の私の記憶。
♪〜
朝を告げるスマホのアラーム音が鳴り響く。
……そう言えば、そんなこともあったけ。
――――
――……
その日、大きな転機が訪れた。
「藤澤さんって、かわいいよね!よかったらお友達にならない!?」
――そう言って私の目の前で笑っているのは男ではない。
“女”である。
“コンドアソバナイ”?
これは一体何語なの?
昼下がりの賑わう廊下のど真ん中。
私は今起こった出来事の意味も何もかもがわからず、何度もぎこちなく首を傾げ顔を顰めて立ち尽くしている。
確か、お手洗いに行ってー、教室に帰ろうとしたら女3人組に引き止められてー、そして今。
……だったはず。
壊れたコンピュータみたいに解が出なくて無意味な脳内処理に忙しい私をお構いなしに、女達は話し続ける。
「ちょっと美玖!藤澤さん引いてるよ?」
「あっごめんね!?知らないやつから急に話しかけられても驚くよね!
私、川島美玖!こっちが小林円で、こっちが坂井玲奈!」
カワシマミク?コバヤシマドカ?サカイレナ?
女から自己紹介なんてされたことがなくて、それが名前だと理解するのにしばらくかかった。