姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

Ep.91 射的やろうよ


鳥居をくぐり、境内へ入ると思っていた以上に人で賑わっている。

調べた時の印象は地元の人が多い小さなお祭りだったのに。

「すげー……夏祭りって初めて来たけど、人混みすごいな。」

「まーくん社会科見学にきた小学生みたいだねぇ。
射的とかやってみちゃう〜?」

「バカにしてんだろ聖……。」

広瀬真と榛名聖が少し先を歩いていく。

夏祭りの光景を広瀬真が好奇の目でキョロキョロ見回しながら歩くのを、榛名聖が面白い玩具で遊ぶかのように指差しして誘導している。

あんぐり開いた私の口を見て驚いているのを察したのか、隣を歩いていた近江涼介が淡々と言った。

「この辺住宅街があちこちにあって住んでる人口割と多いし。
花火も上がるからちょっと離れたところからも結構人が来んだよ。」

「なるほど…!って、なんでそんな詳しいわけ?」

思わず感心した後、首を傾げる。
近江涼介は遠くを見ながら質問に答えた。
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