姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
……また近江涼介と2人になってしまった。
嵐が過ぎ去ったようにシンとした静寂が訪れる。
すぐそこで賑わう人の声が聞こえるんだけど、先程の気まずさの余韻もあってそんな風に思うのだろう。
「近江涼介。」
沈黙を打ち破りたくて名前を呼ぶと、無表情が私を見つめる。
私は意識的ににんまりと口角を上げて笑って見せた。
「やきそば、食べたくない?」
無表情のまま、近江涼介の目線がほんの少し落ちた。
「……食う。」