姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
私は薄水色の丈長のシアーシャツに白のキャミワンピ、そして傑兄ちゃんは薄水色のシャツにベージュっぽい白のバルーンショーツを着ている。
……つまり双子コーデ。
私の服装を見て、傑兄ちゃんが合わせてきやがったのだ。
「だろー?ということで服装的に俺と姫がペアな!
お前らもモノクロ同士でちょうどいいだろ。」
私を腕の中に収めて傑兄ちゃんが有馬美咲と近江涼介をビシッと指さす。
有馬美咲も呆れながら「わかったわかった」と頷いた。
水族館までは駅を出て少し歩かなくてはいけない。
地下道を通り外へ出ると、まだ夏の蒸し暑さの残る日差しが照りつけている。
私と傑兄ちゃんから少し距離を開けて、近江涼介と有馬美咲が並んで歩いていた。
「……なんで俺達を誘ったんですか。」
涼介が美咲に落ち着いた口調で問いかける。
視線は前方の、恋人のような距離感で並んで歩く兄妹。
“姫が来たらこうなるのはわかりきっていただろ”とでも言いたげだ。
「あー……いざとなったら2人だけってちょっと緊張しちゃってさ。
ごめんね?急に。」
美咲は気まずそうに苦笑いして頬を搔く。
その後、言っても良いものかと無機質で整った横顔を遠慮がちに伺った。