姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
Ep.100 海の世界にふたりきり
水族館の入場口の手前。
列に並び傑兄ちゃんがチケットを取り出している僅かな隙に、後ろから首根っこを掴まれ柱の影に引っ張り込まれた。
「なにすんッん゙んっ!」
私をそんな風に扱う奴なんてこの場に1人しかいない。
思い切り睨んで大声を出そうとしたら、更に引っ張られ強制的に黙らされた。
コイツ、犬かなんかだと思ってる?私のこと。
傑兄ちゃんが私を探す声が徐々に遠ざかっていく。
有馬美咲もそこにいたから、宥められながら先に入場してしまったのだろう。
そこでようやく解放された。