姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
Ep.11 危険信号
………結局、一睡もできなかった………。
充血した目に朝日が染みる。
フラフラとおぼつかない足取りで校門をくぐった。
私と奴らの関係を一晩中考えていたら、いつのまにか小鳥が囀って辺りは明るくなっていた。
夜更かしは美容の天敵なのに。
あいつら、今度会ったらただじゃおかない。
キリキリしながら下駄箱の扉を引く。
それと同時に、どうやって詰めたの?という量の手紙がドサドサと足元に落ちた。
(毎日ご苦労なことで……ハイハイ……。)
いつもはポイ捨ては良くないから拾ってゴミ箱にインするところだけど、寝不足でそんな気力もない。
よろよろと拾い集めて雑にカバンに詰めこんだ。
ようやくゴミ拾いを終えて上履きを取ろうと下駄箱を覗き込むと、封筒にも入っていない便箋が生き残ってこっちを向いている。
“放課後、4階の空き教室で待っています。”
(空き教室…?ああ、あそこね。)
ぼんやり思い浮かべて、なんの気無しにその便箋はポケットに入れる。
体は眠いと言ってるけど、頭の中はいまだ悶々としていて、授業中のほとんどをぼんやりと過ごした。
――そしてあっという間に放課後。
休み時間はH2Oを探してみたけど、奴らはどこにもいなかった。いつもの旧校舎にさえも。
奴ら、どこいった。
今日こそこのモヤモヤを晴らさないと、また眠れない。
このままだとゾンビになってしまう。
だるさで重たい足を必死に動かして、敷地中を探し回る。
最後に辿り着いた新校舎の4階の空き教室のドアを、私は勢いよく開けた。