姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

Ep.118 共感


渡り廊下の壁に凭れ、真と涼介は並んで立っている。
真が、旧校舎に行く前に涼介を呼び止めた。

にもかかわらず、真は炭酸の缶を小さく傾けしばらく口を開かなかった。

「――悪い。涼介ん()の事情、姫から聞いた。」


知らないテイを貫くことが現状最適とわかっている。

けれど、友達に対して知らんふりし続けるのは耐えきれなかったのだろう。気まずそうな顔をしている。

「……別にいい。アイツも言うって言ってたし。」

真は“ああ、そうなのか”と頷く。

「アイツは……まぁ俺もだけど、涼介のこと本気で助けたいって思ってるぞ。」

「知ってる。でも簡単にどうにかなる問題じゃないから。」

表情を一切変えずに隣に並んだ涼介を、真はじっと見つめている。
頭の中は“どうにかしてやりたい”という気持ちと、もう一つ。
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