姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

「……だよなぁ。」

涼介に対する共感。

真は深くため息をついて遠くを見た。
窓の外では、グラウンドで賑やかにはしゃぐ声が聞こえる。

「家の呪縛って逃げらんねぇよな。

俺も生まれ育った環境はクソだと思うけど、かと言って家族に恨みはねぇし。
……むしろ情があるから無碍にできない。」

真の言葉が、涼介の頭の中で自分の心情と重なる。

“涼”に向ける家族の幸せそうな微笑みを思い出して、感情を閉じる様に目を伏せた。

「自分の無鉄砲な行動による周りへの影響を考えられねーほどガキじゃねぇし。

戦う、なんて父親に啖呵切ったはいいけど……
最終的にはやっぱり、跡を取ることからは逃れらんねぇと思ってる。」

「……そうだな。」

思わず頷く。


自分がもし今、突然“涼”をやめたらどうなるか。

例え偽りだったとしても、穏やかに過ごしてきた日常をぶち壊すことになってしまうことは想像に容易い。
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