姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

姫が今1人でいる事実だけ理解すると、スマホを取り出してそのまま階段を駆け降りていく。

「ちょっとまーくん、待って!

……あ。ひーちゃんのこと、教えてくれてありがとうなんだけどさ。」

暴走列車のように走っていく真を慌てて追いかけようとした聖が、一度足を止めて被害者面をした女子達の方にもう一度振り返った。

「どうして俺達がひーちゃんの話も聞かずに君達の言い分を信じると思ったの?」

聖の柔和な表情は変わらない。
なのに不穏な空気を醸し出している。

「君達はただのクラスメイトだけど、ひーちゃんは俺たちの友達だよ?俺達がどっちの味方なのか、明白じゃない?

――ひーちゃんに何かあったら、君達全員ただじゃおかないから。」

その場を制圧する静かで激しい怒気。

その場にいた姫の班の女子も男子も凍り付いたが、聖は無視してもう小さくなってしまった真の背中を追いかけた。

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