姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
Ep.163 まさかの亀裂
「どうやらちゃんとお友達になれたみたいだねぇ。
ひーちゃんと栗谷さん。」
カフェテラスの奥の一角で、声を顰めた聖が言った。
姫達のいる場所から1番遠い席をH2Oの3人で陣取り、こっそりと姫の様子を見ていたようだ。
まぁ、存在自体が目立つので全く潜めていないけど。
唯一気づいていないのは、いっぱいいっぱいの姫くらい。
そこにいる女子達はざわめいていたし、天音も折々で3人のことを睨んでいた。
「野暮。」
その場にはいるものの、姫と天音の様子を一切見ず読書をしていた涼介がコーヒーを啜りながらボソッと呟く。
それを聞いた榛名聖は悪びれもなく笑って答えた。
「え〜、でもひーちゃんを焚き付けたの俺だし心配で〜。
言いつつ涼ちゃんだって気になってたでしょ?
じゃなきゃここにいないもんねぇ?」
揶揄うように聖は能面の涼介の頬を指でつつく。
どう答えても玩具にされる予感しかしないので、涼介は本から目を逸らすことなく無視に徹した。