姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
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公園のイベントマップを見ながら、出店の集まるスペースに移動する。
ベンチに座らされてしばらく待っていると、大きな肉まんを両手に1つずつ持った広瀬真が戻ってきた。
「ん。遅れた詫び。」
私の隣にどかりと座る。
肉まんを齧りながらもう一方の肉まんを私に差し出してきた。
「……ありがと。」
あんなの、ほんの冗談だったのに。
そう思いつつなんとなく流れで受け取ってしまったから、私も同じように肉まんに齧り付いた。
「……!美味しい。」
ふわりとあったかくてホッとする。
一口が大きくて頬を膨らませながら味わっていると、それを見た広瀬真が笑い出した。
「……単純かよ!」
くしゃりと細くなる猫目。
笑った時に片眉が下がるのは癖なのかな。
何が可笑しいのかくつくつと笑いを噛み殺す広瀬真に、もぐもぐしながら一応怪訝そうな顔をして見せる。
最近たまにわかんないのよね、コイツの笑いのツボが。
広瀬真は気の済むまで笑った後、笑顔の跡を残したまま私の目をまっすぐ見てきた。