姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
「その意図が知りたいと思って。
もしかして涼ちゃん、まーくんをアシストしようとしてない?」
聖の声色からは若干の苛立ちが滲んでいる。
“お前はわかっているだろ、なのになんで”とでも言いたいのだろう。
“私達は……ずっと友達だよ、ね?”
脳裏にはあの日、ガラにもなく泣きそうな顔で力無くそう言った姫の姿が思い浮かぶ。
姫が大切にしたいものを、俺がぶち壊すことがないように。
だから2人になる可能性を避けた。
「断ったのは俺の都合。真が姫をどう思っていてどうするのかは関係ない。
……俺にも、聖にも。」
過干渉な聖に改めて釘を刺すように伝える。
意外と頑固な聖のことだ。
どうせ変わらないだろうけど。
「俺達って“この件”に関して思うことは一緒なのに、どうやら方針が全く違うみたいだよねぇ。
涼ちゃんのことには俺の方針に抵触しない限りは何も言わないから、こっちもノータッチでいて欲しいんだけど〜?」
「そうしたいところだけど、最近の聖は過干渉過ぎる。
お前こそ自分になんの影響もない話なんだから放っておくべきなんじゃないの?」
「そうだねぇ。俺からしたらひーちゃんが誰を選ぼうがあんまり関係ない話だねぇ。
……でもひーちゃんをトラウマから救いたいから動くよ。
例えまーくんや涼ちゃんの心を利用してもね。」
「それが過干渉だって言ってる。」
「2人がハッキリしない態度とってるからでしょ?
それがひーちゃんを傷つけるんじゃないかって心配してるだけ。
断言する。ひーちゃんは近いうちに苦しむことになるよ。必ずね。」
鋭い口調で続いた言い合いがここで一度途切れる。
次に話し出したのは、いくらかトーンダウンした涼介だった。