姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
「……そうだな。
だから俺はこれ以上深く踏み込まないようにしようと思ってる。」
「……そ。涼ちゃんがそうしたいならそうすれば〜?
でも言っとくけど、ひーちゃんと距離置くのは1番最悪な手だからね?」
「わかってる。」
「わかってるならいいんだ。
じゃ、遅い時間にごめんねぇ。メリークリスマス、涼ちゃん。」
涼介の返事を待たずに通話が切れる。
再び訪れた深い夜の静寂に、涼介は静かに目を伏せる。
なんとなくメッセージアプリを開き、数時間前に一気に送られてきた大量の画像の中から姫が写っているものを探してその頬をそっと指で撫でた。
(大丈夫、姫が望まないことを俺も絶対に望まない。)
画面の中で楽しそうに笑う姫にじわりと滲み出そうになる気持ちはそっと胸の中に仕舞って。
代わりに固く決めた意思を自分の中に落とし込むように目を瞑ると、再び布団の中へと潜って眠りに落ちるのをじっと待っていた。