姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
Ep.173 女友達
2時間後、私と天音ちゃんが指定した神社で彼女が来るのを待っていた。
そこは夏祭りの時に来た、近江涼介の家に比較的近いあの神社。天音ちゃんもその辺りに住む人らしい。
この神社を起点に、もう少し学校寄りの場所に住んでいるらしいから近江涼介とご近所さんというわけではない様だけど。
「すみません!お待たせしました!」
息を切らせながら天音ちゃんが走ってくる。
「いや、私も今来たとこ……」
ワインレッドのダッフルコートに黒のパンツのスタイルが、シンプルだけど背の高い彼女によく似合っている。
(というか私が気合い入れ過ぎた?)
ニットワンピにコート、そしてヒールと――
まるでデートの勝負服。
女友達と出掛けるなら目一杯お洒落を、と思ったんだけど、
……もしかして間違った?
私はメイクも髪型もバッチリ決めたけど、天音ちゃんは学校で会う姿と変わらずさっぱりしている。
「コイツ気合い入れすぎだろ」と引かれないかとドキドキした。
「それならよかったです!じゃあ、行きましょうか。」
「うん。」
……あれ?普通?
本堂を指さして、天音ちゃんが私を促す。
何のコメントもない天音ちゃんに拍子抜けしながら、隣に並んで鳥居をくぐった。