姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
Ep.174 思い出してみれば、
去年と同じく本堂への参拝を待つ行列に並ぶ。
待つのは今年もダルいけど、流石に文句は言わなかった。
天音ちゃんとの何気ない会話は弾むが、どうしても反応を探りながらにはなってしまう。
(友達序盤ってこんなに難しかったっけ?)
約1年半前を思い出してみる。
(そう思うと私、今まであの3人に遠慮したことってなかったかも。)
怒ったり駄々こねたり、パンチ食らわせたり……
あれ?すんごい好き勝手してるな。
初めて自覚して閉口する。
それらを全部受け止めて(受け流しているとも言う)いるアイツらって、実は結構すごいのでは?
ちょっとは感謝し……
「そーやって反省してろ、ブス!」
「ねぇ君、いつまでそうやってるの〜?」
「下手な泣き真似すんな。」
――いや、そうだった。
アイツらもアイツらで最初から私に対してかなり容赦なかったわ。
今までの数々の失礼発言を思い出し、やれやれと首を振った私を見て天音ちゃんは不思議そうに首を傾げた。
「なんでもない!
ところで天音ちゃんも(物理的に)強いじゃない?何かやってたの?」
「はい、剣道を10年ほど。」
「へぇー。あ、だから初めて会った日、木刀持ってたのね!」
納得の回答にポンと手を叩く。
すると天音ちゃんが照れ笑いして頬を掻いた。
「いえ、あれは修学旅行でテンションが上がってしまって、つい買ってしまったものです。」
「へぇー?」
小学生男子みたいな発言に、打った相槌の疑問符が隠しきれなかった。
天音ちゃんて物腰柔らかいけど、変な子だよね。
まぁそうじゃなきゃ私と友達にはならないか、と妙に納得してしまう。