姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
(正解がわからなくなってきたな……。)
返す言葉も無くなって、真は歯を食いしばって俯く。
“涼介の方がきっと自分より姫の心を理解している。”
そう思っているからこそ、涼介にああも言い切られてしまうとたちまち自信がなくなってしまった。
「一体どれが正解なんだろうねぇ。」
終始傍観を決め込んでいた聖が、紅茶を啜りながらゆったりと口を挟んだ。
「涼ちゃんの言い分も正解なように思えるし、まーくんの考えも正解に思える。
あるいはどちらも不正解かも?」
意味ありげな笑みを浮かべてふわふわと要領を得ないことを喋る聖を、真と涼介は黙って見ている。
聖の狙いは真。
だから彼の背中を押すような言葉を選んで話し続ける。
「ひーちゃんの気持ちなんて、実際のところはひーちゃんにしかわからないよねぇ。」
その言葉に、真の目が大きく見開く。
かと思えばそのまま跳ねるように立ち上がり、走って空き教室を出て行ってしまった。