姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

Ep.196 恋ってやつは


(な、なな難易度高すぎない!?恋!!)

1時間目の授業中、私は板書して真面目に授業を受けているフリをして頭を抱えていた。

近江涼介に恋してるって自覚した途端に。
なんか急に、急に。

近江涼介のことがキラキラして見えるようになった!


振り返った時に揺れた黒髪も、私を見る目も、淡白で感情の読めない居住まいも発光しているかのようだった。

あ゙――――。
思い出すだけでも心臓が苦しい。

ギュンッて甘く締め付けられるような感じだ。

いつも通りでいたかったのに。
いつも通りがよかったのに。

上手く話すこともできなくなるなんて。


気付けばノートの1ページが“恋 love こい koi”という文字の羅列で埋まっている。
それ程までに恋は私を悩ませる。

恋する奴らは毎日こんな気持ちを抱えていたの?
それで平然としてるって凄すぎない?

真面目な顔で授業に注力するクラスメイトを視線だけでザッと見回す。
私やH2Oに群がる奴らが今は飄々と前を向く姿を見て、思わず尊敬の念を抱いた。

なんとかして耐性をつけなければ……!
いつも通りを取り戻すために!!

初めての感情に打ち勝つために、ノートいっぱいの“恋”を力一杯塗り潰して私は固く決意したのだった。
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