姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

――――――
――……

ざ……惨敗だ……!

時が経ってもう放課後。

ほとんど人気がなくなった教室で、私は机に同化するように頬を押し付け突っ伏していた。

窓に差し込む夕陽が、スポットライトの様に打ちひしがれている私を照らしている。

……今日1日全然普通にできなかった。

近江涼介のことは直視できないし。
広瀬真には「ダメだコイツ」みたいな目で見られるし。
榛名聖は……いつも通りヘラヘラ笑ってたし。

やっぱり私は対人スキルが無さすぎるんだ。
これは清廉潔白、眉目秀麗、才色兼備の藤澤姫、唯一の欠点と言えよう。


「ひーちゃんの頭は自己嫌悪してるのか自画自賛してるのか、わからない思考回路だねぇ。」

――頭上で脱力しきった声がした。

それに反応して、当然のように私の思考を読んで笑うヘラヘラ男をゆらりと見上げる。

もはや怖いとも思わないほど慣れたし、ツッこむ元気もないから何も言わない。

榛名聖は相変わらずふわふわにこにこと愛想のいい笑顔を浮かべながら、私の鞄を勝手に持ちあげて手招きをした。

「今日はちょっと寄り道して帰ろうよ〜、ひーちゃん。」

それは救いの導きか、それとも悪魔の甘言か。
どちらにしても縋るしかなくて、私はのっそりと立ち上がった。
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