姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
「広瀬真ともなんか普通にできないし!
近江涼介にもギクシャクしちゃうし!
もうどうしよう〜……。」
辿々しく話しながらの割に、もう頼んだスイーツを食べ終えたひーちゃんがガバッと豪快に机に突っ伏す。
思わず腹筋が僅かに震える。
以前とは別の意味で自分の心に振り回されているひーちゃんに、笑いが抑えられなくなった。
「……何笑ってんのよ。」
笑い声に気づいてゆらりと顔を上げたひーちゃんが、恨めしそうに俺を見る。
「ごめんごめん。
ひーちゃんもちゃんと女の子だったんだなぁって思ったら可笑しくて。」
涼ちゃんを直視できないとか、緊張して上手く話せなくなるとか。
“恋をしてはいけない”とがんじがらめになって苦しんでいた時に比べたら、可愛くて前向きな悩みじゃないか。
「何を今更!?生まれてこの方女だし、なんなら特別可愛い美少女ですけど?」
「大方合ってるかもしれないけど、自分で言うのはやめようねぇ。
否定したくなるから〜。」
「何をぅ!?」
むくれ始めたから調子を取り戻してきたみたいだ。
……それならば、気になっていることを聞いてみようかなぁ。