姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
ホッとして自然に笑みが溢れた。
近江涼介はそれを視線だけで見下ろすと、小さく息を吐いて僅かに微笑む。
「元気になったみたいだな。」
優しいクセに鋭い切れ長の眼差しは、心を見透かすズルい目だ。
――やっぱりここ最近の様子の変化を見抜かれていた!
心の変化までは見抜かれてないよね?と少しドキドキしながら、平然を装って胸を叩いた。
「私はいつでも元気だけど!?」
「ならいいけど。」
そう言って、近江涼介は何気なく私の後ろ頭をポンと叩く。
不意打ちで大きな手の感触。
緩んだ緊張の糸がまたピンと張り詰める。
思わず頬が熱くなった。
「…………っ。」
胸の高鳴りを自覚して、思わず黙りこくってしまう。
視線が左右に震える様に泳ぐのを、何度も瞬きして収めようとする。
心臓の音が落ち着かない。
耳の奥にドクドクと響いて、それが甘い胸の疼きに変わっていく。