姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

Ep.211 正々堂々


翌日。

今度は天音ちゃんを昼休みに呼び出した。
カフェテリアの一番端の席に向かい合って座って、一緒にお昼ご飯を食べた。

昨日の話をしたり、全く違う話をしたり。
ご飯を食べた後もコーヒーやお茶片手にただのおしゃべりを楽しんで、ふと会話が途切れた時私はテーブルの下で拳を握りしめた。

「あのさ、天音ちゃんに言わなくちゃいけないことがあるんだけど……!」

唐突に切り出して緊張した面持ちで顔を上げた私に、天音ちゃんはきょとんとして首を傾げる。

「あの、あのね。私ね……」

緊張して心臓が飛び出そうだ。


これを言ったら天音ちゃんはどんな反応をするんだろう?
悲しむ?怒る?

――怖い。怖いけど、ちゃんと言わなくちゃ。



「私、天音ちゃんと同じ人を好きになっちゃったの!」


怖くて天音ちゃんの顔を直視できず、ギュッと強く目を瞑って反応が返ってくるのを待っている。

その間天音ちゃんは目を丸くしてぽかんとしていたが、少しして戸惑った様に口を開いた。

「す、好きな人……?
誰のことですか……?」

「え?」



予想外の反応に今度は私の目が丸くなって狼狽える。

「誰って……近江涼介……。」

「近江くん?姫ちゃんは近江くんのことが好きなんですか?」

「へっ!?……あ、いや……
うん、そうなんだけど……。」

ストレートに聞かれると恥ずかしくてちょっと顔が熱くなる。

というか、なんだろう。この手応えのない反応と緩いやりとり。
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