姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

なんだよそれ、ポーカーフェイスが上手すぎるよ。

下手に足を引っ張っちゃいけないって思い込んでないで、素直に気持ちを言ったり聞いたりすればよかった。


「広瀬真は!?寂しい!?
1人で勉強するのとか、海外に行っちゃうのとか!」

目を爛々とさせながら問い掛けて詰め寄った私に、広瀬真はヒクッと口元を引き攣らせる。

「そ、れは……俺だってそりゃ……!」


広瀬真は目を泳がせながら言いにくそうに言葉を押し出そうとしている。

と、広瀬真の隣で榛名聖が大袈裟なほど満面の笑みで「そりゃ?」と言葉の続きを促した。


「さっ…………寂しいわけあるか――――!!
自分で決めてんだからなんとも思わねぇわ!」

「えー、なにそれ!平気ってこと!?
そんなに強い子だったの!?」

「ついてくんな!意味不明なこと言ってんじゃねぇ!」

なぜか真っ赤になって席を立ってソファの方へと行ってしまった広瀬真の後を追う。

ボフン!と乱暴に座り込んで腕を組みダンマリを決め込んだ広瀬真の隣で「ねぇねぇねぇ」と執拗に迫った。


「あー面白い。すごく寂しいんだろうねぇ。」

「素直じゃないからな。」

その様子を見ながら榛名聖はけらけら笑って、近江涼介は呆れたようにため息をつく。


――私だけじゃない。
みんなもね、同じ気持ちだった。


そう思うと、ちょっと心強い気持ちになった。

―――第50話 fin
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