誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~
 

 翌日、ほたるがロビーを歩いていると、向こうから女装した明巳がやってきた。

 ああ、これ、もしかして、美春さんかな?
 なんでこの会社にいるんだろ?

 そう思ったとき、腰に手をやり、女豹のような目でこちらを見ていた美春が言った。

「あなた、ほたるさんね」
「あ、はい」

「私は吉本美春(よしもと みはる)
 明巳さんの過去も好物もなにもかも知ってる女よ」

 ……はとこなら、まあ、過去は知ってるよな、とほたるは思う。

 幼児な明巳さんとか、小学生な明巳さんとか。

「あなた、明巳さんの好きな物とかわかるかしら?」

「……うーん。
 あまり知りませんが。

 とりあえず、醤油ラーメンとチャーハンは好きなんじゃないですかね?」

「醤油ラーメン?
 なんでよ」
と美春は眉をひそめる。
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