誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~


 次の日の仕事中、明巳のもとに、いきなり父親から電話がかかってきた。

「お前たち、うまくやってるのか。

 お前のことだ。
 どうせ、適当に籍入れとけばいいくらいに思ってるんだろう。

 あの屋敷も頼まれて買ったんだろうから、杉田さんに譲ってやれ」
といきなり言われる。

 いや、杉田さんて誰だよ……。

 この親、実の息子より他人を大事にするからな、と明巳は思う。

 別に他の家に移動してもいい気がするが。

 ほたると出会ってからの思い出はすべて、あの奇妙な家につまっているから――。

 いや、結婚してしばらくは、ほたるの存在を忘れてたんだが……。

「俺はほたると上手くやっている」

 友人的な感じで――。
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