誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~
 



「いや、どんな親子の会話だ」
 巨大コロッケを小麦粉でまぶしながら、明巳が言う。

 なんか不思議な感じだな、とほたるは思った。

 本当の親に会ったときは、おばあちゃんにまず語ると思っていたのに。

 昔は知らなかった、明巳さんという人に語ってる――。

「ところで、なんでコロッケ作ってるんですか?」

「今日行った店で、コロッケの作り方を習ったんで、やってみようかと」

「へえ。
 お店で作り方教えてくださったんですか?」

「……厨房で」

 またなにかが横柄で、何処かの店にやられたのかな、とほたるは思う。

「そういえば、今日、あの配膳ロボットを発注している会社の人間がたまたまうちに立ち寄ったそうなんだが。

 手を振る機能をつけようかと思うと言っていたらしい」

 ほたるはロボットを見ながら、熱心にメモをとっていた母を思い出していた。

 そういえば、あのファミレスは明巳の会社の近くだ。
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