誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~
「美味しかったね~、コロッケ定食」
「花久の美味しいよね。
家で再現しようとしても、ちょっと違うんだよね~」
昨日は、完璧に再現できてましたけどね……。
みんな大満足で店を出たあと、
「あ、私、あの店のあの服、バーゲン待ってるんだよね。
売れちゃうかな~」
と心凪がちょっと高めのブランドの店を指差した。
高級ブランドというほどではないが、きちんとした場所にも着ていっておかしくない服という感じの店だ。
「どれどれ?」
と夏江が身を乗り出した。
「わ、ほんとだ。
素敵な……
店員さん」
服じゃないのかっ、とみんなで身を乗り出すと、何故か明巳が二体いるマネキンのうち、一体の服を脱がせていた。
こちらに背を向けていたし、いつも着ているようなスーツではなかったのだが。
後ろ姿と手だけで明巳とわかった。