秘めた恋は、焔よりも深く。
「これ、開けて」
龍之介が傍らに置いていたショッピングバッグを美咲に差し出した。

「……?」
受け取って中を覗くと、ハイブランドのロゴが入った箱が三つ。

「お前に土産だ」

「え? こんなに?」
驚きながら一つひとつを取り出していく。

まずは、艶やかなリボンがかかった箱。開けると濃厚そうなチョコレート。
次は、上質な生地のストール。手にした瞬間、ふわりと軽く、柔らかさに思わず笑みがこぼれる。
そして最後に、小さな箱を開けた瞬間、きらりと光を放つネックレス。
ダイヤモンドとアクアマリンが並んだ、控えめでありながら上品な輝き。

龍之介が、美咲の胸元に視線を落としながら、低く問う。
「……気に入った?」

美咲は箱の中のネックレスをそっと手に取り、光にかざす。
アクアマリンの澄んだ青がきらめき、胸の奥がふわりと温かくなる。
「……ありがとう。嬉しいわ」

龍之介はネックレスを指先でつまみ上げ、真剣な眼差しで美咲を見つめる。
「婚約指輪はいらないって言っただろう。だから、その代わりにネックレスにしたんだ」

「……」

「アクアマリンは美咲の誕生石だし、幸せな結婚を意味するらしい」

龍之介が箱からネックレスを取り出し、背後に回る。
美咲は少し緊張しながら髪を持ち上げる。
カチリと小さな音を立てて留め具が閉じる。
鏡に映った自分の胸元で、アクアマリンが柔らかな光を放った。

「……わあ、綺麗」
思わず小さな声が漏れる。

「……ああ、似合っている」
龍之介が低くつぶやく。

次の瞬間、彼の唇がうなじにそっと触れる。
その熱に、美咲の肩が小さく震えた。

「ずっとそばにいてくれ」

耳元で落とされた言葉に、美咲の胸はあふれそうになる。
こみ上げる想いを抑えきれず、静かに答えた。

「……はい」

美咲の返事に、龍之介の腕がそっと強くなる。
二人を包む静けさの中、アクアマリンが未来を誓う光を放っていた。

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