うちの鬼畜社長がお見合い相手で甘くて困る
海龍Side
(……なんだ)
目の前に現れた女を見て、海龍は一瞬、息を止めた。
肩に軽くウェーブが入った髪。
整ったメイク。
凛としたネイビーのワンピースが、彼女の白い肌を際立たせ、
くびれから裾にかけて流れるシルエットは、まるで仕立てられたようにぴったりだった。
(……めちゃくちゃ、エロいじゃん)
いや、下品じゃない。むしろ上品だ。
でも――それがまたいい。
知的でおとなしそうな印象の中に、圧倒的な“女”がある。
あの地味で目立たない広報社員、平泉凪が、ここまで化けるとは思ってなかった。
いや、正確に言えば、わかっていた。
“こうなる”ことを見越して、服もヘアメイクも指示した。
だけど、想像をはるかに超えてきたのだ。
(……やばい。正直、めちゃくちゃ抱きたくなってる)
冷静なふりをして、スマホを手放す。
いつも通りの声で「似合ってますね」とだけ言った。
心拍数は上がってるのに、顔には絶対に出さない。
出したら、すぐバレる。
“この男、ちょろいな”って顔をされるのだけは絶対に嫌だった。
――でも。
(……あいつ、今、俺のこと“女慣れしてる”って思っただろ)
気づく。
凪の微かな沈黙と、曇った目。
きっと、自分が他の女にも同じことをしてると思ったのだろう。
(可愛い。バカ正直なとこも、わかりやすくていい)
口元がほんのわずかに緩んだのを、自分でも感じる。
(……よし。これは時間かけて、じっくり落とす)
その気になったら、誰も逃さない。
そう思っていた自分が、今はむしろ“逃げられないように”仕掛けているのかもしれない。
(……凪。俺を甘く見たこと、後悔させてやる)
そして今日のプレゼンのメインディッシュは、まだこれからだ。
(……なんだ)
目の前に現れた女を見て、海龍は一瞬、息を止めた。
肩に軽くウェーブが入った髪。
整ったメイク。
凛としたネイビーのワンピースが、彼女の白い肌を際立たせ、
くびれから裾にかけて流れるシルエットは、まるで仕立てられたようにぴったりだった。
(……めちゃくちゃ、エロいじゃん)
いや、下品じゃない。むしろ上品だ。
でも――それがまたいい。
知的でおとなしそうな印象の中に、圧倒的な“女”がある。
あの地味で目立たない広報社員、平泉凪が、ここまで化けるとは思ってなかった。
いや、正確に言えば、わかっていた。
“こうなる”ことを見越して、服もヘアメイクも指示した。
だけど、想像をはるかに超えてきたのだ。
(……やばい。正直、めちゃくちゃ抱きたくなってる)
冷静なふりをして、スマホを手放す。
いつも通りの声で「似合ってますね」とだけ言った。
心拍数は上がってるのに、顔には絶対に出さない。
出したら、すぐバレる。
“この男、ちょろいな”って顔をされるのだけは絶対に嫌だった。
――でも。
(……あいつ、今、俺のこと“女慣れしてる”って思っただろ)
気づく。
凪の微かな沈黙と、曇った目。
きっと、自分が他の女にも同じことをしてると思ったのだろう。
(可愛い。バカ正直なとこも、わかりやすくていい)
口元がほんのわずかに緩んだのを、自分でも感じる。
(……よし。これは時間かけて、じっくり落とす)
その気になったら、誰も逃さない。
そう思っていた自分が、今はむしろ“逃げられないように”仕掛けているのかもしれない。
(……凪。俺を甘く見たこと、後悔させてやる)
そして今日のプレゼンのメインディッシュは、まだこれからだ。