うちの鬼畜社長がお見合い相手で甘くて困る
海龍Side

 

業務報告書の確認を終え、
ふとスマホを見ると凪からLINEが届いていた。

「寝袋とライトはこっちで準備するよ」
「あと、チェアもあるから安心して」
そんな実用的な内容の最後に、

「楽しみすぎる😊」

……一瞬、時間が止まった。

スマホの画面をじっと見つめたまま、思考が止まる。

(……なんだ、この……)

破壊的に可愛い。
いや、可愛すぎるだろう。

たった一文なのに。
いつもの地味で大人しくて、緊張しいなあの平泉が――
今は、俺とのキャンプを“楽しみすぎてる”。

その事実に、胸の奥がぐっと熱くなる。

「…………はあ……」

ひとつため息をついた。
感情の処理が追いつかない。
何だこれは。

可愛いとか思ってる場合じゃないだろ、俺。

しかも、なんかすげぇ…嬉しい。
浮かれてる?俺が?

(この俺が……)

そのまま10分ほどスマホを握りしめたまま返事も打てず、
何度もメッセージを見返してしまった。

こんな自分、正直知らない。

けど――

「楽しみすぎる、か……」

口に出してみたら、なんだか胸が温かくなる。

「俺も」

一言だけ返した。

やばい。
マジで俺、はまってる。
……平泉凪に。
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