「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
その言葉に、カイルは穏やかに微笑んだ。

「必ず帰る。君のもとへ」

そう言って、カイルは私の手を強く握った。

その温もりは、まるで「信じて待っていて。」と告げているようだった。

「……カイル様を、誇りに思っております」

そして、カイルは馬に跨がった。

その姿は、まるで伝説の英雄のように凛々しく、頼もしかった。

旗が揚がり、蹄の音が響く。

カイルとティアナ、そして浄化の一行が門をくぐって旅立っていく。

私は、じっとその背中を見送った。

やがて姿が小さくなり、完全に見えなくなったとき――

こらえていた涙が、静かに頬を伝った。

「……どうか、無事で……」

祈るように胸に手を当てた。

カイルからの手紙は、毎日のように届いた。

几帳面な筆跡に、彼の真面目さと――私への想いがこもっている気がして、胸が少しだけ温かくなる。

一通目には、こう綴られていた。

《今日は魔物が出て大変だった。でもさすがは聖剣。魔物を一網打尽にした。》
< 108 / 142 >

この作品をシェア

pagetop