「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
読んでいるだけで、彼が聖剣を手に駆ける姿が目に浮かぶ。

いつもの優しい表情とは違う、騎士のようなカイル。

私はそっと手紙を胸に当てて、目を閉じた。

次の手紙には、こうあった。

《ティアナは思ったよりも気が強い。頼りになる。》

その一文に、私はピクリと眉を動かす。

……そうだった。あの青い瞳を持つ、美しい聖女も一緒なのだ。

カイルの隣には、常に彼女がいる。旅の間、昼も夜も。

そして、最後の一文。

《ティアナとセレナの話をよくする。帰ったら、友達になってやってくれ。》

……これには、困った。

ティアナのことを「気が強い」と言うその表現に、親しみを感じているような気がして。

「よく話す」という事実に、二人の距離の近さを思ってしまう。

「友達になってくれ」だなんて、まるで私とティアナが並ぶ未来を当然のように描いている。

――そんな簡単な気持ちで、私の不安が消えるわけじゃないのに。
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